あの日から8年。
怖ろしい揺れに止まらない震え。
ヘルメットを被って徒歩帰宅する人の波。
つづく余震への不安。
地下鉄の駅の薄暗い光景。
東北地方はもちろんのこと、東京でもこうした異様な日常がしばらく続きました。
でも、あれだけの思いをしたにもかかわらず、記憶が年々薄れて備えに対する意識も低下していることは否めません。
少しでもあの時の意識を取り戻すことができるよう、私が毎年必ずこの時期に行っている「防災グッズ一覧表」の更新について書いてみようと思います。
おひとりさま、ひとりで生きている人こそ、防災への備えは必要ですからね。
防災グッズ一覧を毎年更新。おひとりさまこそ備えが必要。
Contents
311のあと電池がなくて困った。
どなたの記憶にも新しいことだと思いますが、311のあと、いろいろなものがお店から消えました。
水や食料。
トイレットペーパー。
乳製品。
納豆。 etc.
当時私はラジオ局に勤めていたのですが、報道担当の人手が足りないということで、こうした不足している品の状況についての電話取材を手伝っていました。
納豆の不足の原因は納豆自体の問題ではなくてタレを作る工場が被災したため。
牛乳の不足を解消するため被災地以外の地域で生産を急いではいるが、牛が出せるミルクには限界があるのでなかなか増産できない。
などなど、みなさんお忙しい中、「なるほど。そうだったのか」といった現状についていろいろとお話ししてくださいました。
わが家に関しては、住んでいる地域一帯は計画停電にはならなかったものの、いつそうなるかわからなかったので家にあった大きな懐中電灯を枕元に備えておくことにしました。
しかし……。
電池を入れても灯りがつかない……。
電池に使用期限があるだなんて意識もしていなかった……。
あちこちのお店で探してみたものの、どこも売り切れ。
「備えなければ憂いあり」
それを実感した体験でした。
防災グッズ一覧を作ってみた。
様々な防災関連グッズの品切れがひと段落した夏頃、必要なものを買い溜めて、更にその一覧表を作成することにしました。
これがその一覧表。(昨年版)

ストックしてある物と置いてある場所だけではなく、電池が期限切れだったことの反省を踏まえ、それぞれの有効期限も明記。
この表はいつも冷蔵庫に貼ってあります。
毎年3月11日頃に一覧を確認。
毎年3月11日近辺になると特別番組などが放送されるので、
そうだ!防災グッズ一覧を更新せねば!
と気づきます。
気づいたら以下の作業を必ずするようにしています。
- 各グッズの使用期限を確認して、必要に応じて買い替える。
- 足りないものを買い足す。
- カセットコンロに使用期限はないが念のため使えるかどうかチェックする。
- ウォータータンク、猫用のソフトケージなどビニール製品がくっつて使えなくなっていないかチェックする。
- 一覧表を更新して冷蔵庫に貼りなおす。
一覧には書いていませんが、ごみ袋はケチケチせずに丈夫なものを買っておくとか、サランラップは多めに常備しておくといったことも心がけるようにしています。
ペットのための備えも忘れずに。
万が一、猫を連れて避難しなければいけない時のために、猫と一緒に避難訓練をしようとしたこともありました。
ハーネスをつけて紐を引っ張って歩かせてみようとしたのですが……。
どうにもこうにも嫌がって、器用にハーネスから抜け出てしまうのでこれは断念。
万が一の時は洗濯ネットに猫を入れて避難できるよう、すぐ取り出せるところにネットをしまっておくことにしました。
そのほか、大切なペットとどういう避難方法がとれるかなど、日頃から情報を得ておくことも大切ですね。
津波は他人事ではない。
我家からは海なんて見えないので、ふだん海のことを意識したことはありません。
でも、あるときニュースで仙台市内で津波の被害にあった方が、
「海からかなり遠い自分の家まで津波が到達するなんて考えてもみなかった」
と言っておられるのを目にしました。
はて?我家は大丈夫なんだろうか?
急に気になってGoogle Mapで調べたところ、仙台市内の津波到達点より、我家の方が海から近いということが判明。
なるほど。
しかも我家の近くには川も流れているので、津波の被害にあう可能性は十分にあるわけです。
マンションの上階に住んでいるので流されてしまうことはないにせよ、他人事とはけっして言い切れません。
こうした危機感を日頃から忘れないようにしなければ。
<以下追記>
2019年3月11日、震災の起こった14時46分に六本木ヒルズから東京湾方面を撮影した写真。

写真の上の方に海が広がっていますが、実は私の住んでいるマンションもこの中に豆粒サイズで写っているのです。
やはり海からかなり近い。
Yahoo!の取り組み「防災ダイバーシティ」。
六本木ヒルズではYahoo!がこんなイベントをやっていました。



いろいろなカードが置いてある中から、自分に該当するものを集めて独自の防災ブックを作るというもの。
表に選択肢、裏にその選択肢に関する情報が書かれています。


私、ハリネズミは飼っていませんが可愛いので思わずもらってきてしまいました。
そのほかにもいろいろ。
こんな風にファイルしておく↓(犬は重し役)

これが本当に役に立つかどうかはわかりませんが、様々な情報発信をしている大企業がこうしたメセナ活動をしてくれるのはありがたいし、こんな風にオシャレに防災を考えるというのもステキな試みだと思いました。
冷蔵庫の防災グッズリストの横に貼っておきましょっと。
まとめ。
ひとり暮らしをしているおひとりさまは、いざという時に助けてくれる人がそばにいないかも知れないので、最低限の備えはしておかねばなりません。
でも、これだけの備えだけではぜったいに足りないとは思うので、困った時に助け合えるよう近隣の人たちとのネットワークづくりをしておく、防災訓練には積極的に参加する、防災情報に敏感になっておくといったことなども心がけたいとは思っています。
少なくとも毎年3月11日になったらここに書いたようなことを思い出してみる。
それだけは忘れないようにしなければ。