50代、55歳で会社を早期退職した私。
2018年10月末に会社を退職したあと、健康保険は国民健康保険ではなく、辞めた会社の健康保険の任意継続を選択していました。
任意継続か国民健康保険を選ぶ基準は、どちらの保険料が安いかということ。
私の場合は、任意継続の保険料の方が国民健康保険の保険料より圧倒的に安かったのでした。
詳しくはコチラ↓の記事で書きました。

任意継続は原則2年間加入しなければなりません。
私の場合の加入期間は、
2018年11月~2020年10月。
現在2020年2月なので、あと8か月は任意継続ということになります。
しかーし!
今年の4月になれば、国民健康保険料の方が任意継続よりも安くなるのです。
しかもその下がり幅がハンパない!
めちゃくちゃ安くなるのです。
だったら4月に国民健康保険に切り替えるしかないでしょ!!
早めに国民健康保険に切り替えれば保険料負担がぐーんと減る!
Contents
国民健康保険に切り替える理由。
私が国民健康保険に切り替えるべき理由についてはコチラ↓の記事で書きました。

要約すると以下。
国民健康保険料の算定基準は前年1月~12月の収入(①)。
国民健康保険料の適用時期は当年4月~翌年3月(②)。※保険料の納付は6月~翌3月
私の場合、①の昨年1月~12月までの収入がほぼ無かったので、4月からの保険料(②)がぐぐーんと安くなるのです。
国民健康保険料の計算方法。
先日区役所の窓口で国民健康保険料の計算方法を聞いてきました。
尚、国民健康保険料の算式等はお住まいの自治体によって異なります。
料率等も毎年見直されるので、変更になる場合があります。
以下は私が住んでいる東京都港区の平成31年度における計算方法なので、料率や各金額などはお住まいの自治体のホームページなどでご確認くださいませね。
計算前に知っておくべきことその1。賦課基準額とは。
以下は保険料を計算する上で知っておくべきことです。
まずは計算の基準となる所得金額について理解しておきましょう。
<賦課のもととなる所得金額(賦課基準額)とは>
前年の総所得金額及び山林所得金額、株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計から、基礎控除額33万円を差し引いた額。
私の場合、前年の所得が33万円もなかったので、この賦課基準額はゼロ。
ゼロってなんか悲しい……。
ここでちょっと疑問に思うことがあったので、職員さんに質問してみました。
(※)住民税の申告のことだと思われます。
確定申告が必要のない人(所得が無い人)も、住民税の申告は必ずしなければなりません。
計算前に知っておくべきことその2。保険料の構成内容。
国民健康保険料は年齢によって構成内容が違います。
以下の図は東京都港区のパンフレット「平成31年度版 港区の国保」よりお借りしました。

私は57歳なので、この図↑の真ん中に該当。
つまり、
基礎分+後期高齢者支援金分+介護分
という構成になります。
国民健康保険料の計算式。
以下が計算式となります。

私の場合、所得が基礎控除額33万円に満たない、つまり賦課基準額がゼロなので、上の図↑青丸部分の「所得割額」はすべてゼロ円になります。
赤丸部分の「均等割額」については、被保険者数は私ひとり。
それぞれの金額を計算すると以下。
①年間基礎分
所得割額0円×7.25%+均等割額39,900円×1人
=39,900円
②年間後期高齢者支援金分
所得割額0円×2.24%+均等割額12,300円×1人
=12,300円
③年間介護分
所得割額0円×1.24%+均等割額15,600円×1人
=15,600円
年間の保険料は①+②+③なので、
39,900円+12,300円+15,600円 = 67,800円(A)
これでも十分に安い!と思える金額なのですが、更に安くなる制度があります。
保険料均等割額の減額制度。
所得額が一定の基準以下だと、「均等割額」を更に減額してくれる制度があります。

私の場合、所得額はゼロ円なので7割も減額してもらえます。
(A)の金額はすべてこの減額対象となる「均等割額」なので、
67,800円×(1ー0.7) = 20,340円(B)
この(B)の金額が、私の最終的な国民健康保険料となります。
月額ではありませんよ!
年額ですよ!
もちろん、前年1月~12月の所得額によっては任意継続に加入し続けた方がお得な場合もあるので、計算して比べてみることが必要です。
自分で計算する自信が無ければ、区役所の窓口で相談してみてくださいね。
任意継続の保険料との差額。
現在の私の任意継続保険料は、
月額約40,000円。(C)
国民健康保険に切り替えると、
(B)20,340円÷12 ≒ 1,700円(D)
つまり、その差額は、
(C)40,000円-(D)1,700円 ≒38,000円(E)
月に38,000円も安くなるのですよ!!!
38,000円ですよ!!!
切り替えタイミングと手続き。
もしも任意継続の原則2年間を守るとしたら、私の場合は4月~10月の7か月間、約40,000円の保険料を払い続けなければなりません。
でも、4月に国民健康保険に切り替えたら、
(E)38,000円×7か月 =266,000円
もお得になるのです。
どう考えても切り替えた方がよいわけです。
では、「任意継続保険は原則2年加入する必要がある」ということは、どこまで守らなければならないかというと……。
2年を守らなくても罰則はありません。
また、そもそも任意継続は、保険料をついうっかり支払い期限までに払い忘れただけでも速攻その資格を喪失して、否が応でも国民健康保険に加入せねばならないという厳しいルールがある制度。
ということは、4月の保険料を「うっかり払い忘れたら」、自動的に国民健康保険に切り替えることになるのです。
具体的な手続きは以下。
- 4月の保険料を期限が過ぎても払い忘れる。(あくまでも「忘れる」ですよ~)
- 健康保険組合から資格喪失の書類が届く。
- その書類を持って区役所に行き、国民健康保険加入手続きをする。
以上です。
ただ1点だけ注意が。
資格喪失の書類が届くまで半月程度の時間がかかるので、その間、有効な保険証が手元に無いことになります。
万が一、その間に病気になったりケガをしたりしたら、いったん病院と薬局に10割支払い、後日国民健康保険証を持って病院に行き、差額(7割)を返金してもらうという処理が必要です。
<後日追記>
4月末に国民健康保険への切り替えが完了しました。

まとめ。
会社員だと給料をもらう時点で既に健康保険料が天引きされているのであまり意識していないかも知れませんが、健康保険料ってすごーーく家計を圧迫するものなのです。
だから、月に38,000円も安くなれば本当に助かるのです。
嬉しいよぉ。
嬉しいよぉ。
嬉しいよぉ。
ただ、今年は辞めた会社が加入していた年金基金の解散分担金という所得がある予定なので、令和3年度の国民健康保険料はまたぐーーーんと高くなっちゃうのですけれどね。(涙)


うわあ、ためになります・・・!!
私の場合、健保組合の制度やら利用やら考えるとやっぱり任意継続かな、と思っていたのですが、この1年後の保険料のことは全く考えに及びませんでした。選択した以上は、まる2年は何があろうと任意継続を守らなくてはいけないのかと思っていたのです。
「なんと!」という感じです。
収入の多寡でこんなにも保険料が変わってくるなんて・・!
具体的な情報を教えてくださりありがとうございます。
Y様
原則は2年なので守らなくっちゃって思いますよね。
もちろん守るのが原則なのですが、払い忘れちゃったら仕方がないわけで…むにゃむにゃ。
実は任意継続に加入する時にも窓口の人に「払わなかったら途中脱退できるってことですよね?」って聞いたんです。
そしたらその人も「まぁ払い忘れたら…むにゃむにゃ」って苦笑いしながら教えてくれましたww
昨年会社を辞める事が決まってニューヨークでフラフラしていた時、はやしさんのコラムを見つけて愛読させて頂きました。文章が何というかカワイイです。また、私は小五から高校卒業まで名古屋近郊に住んでいましたので時々混じるナゴヤ言葉が懐かしい!その後退職前後はやしさんが経験された通り年金、健保、失業給付などの手続きで忙しく、今日久しぶりにコラムを再読させて頂きましたが、煩雑な諸手続の内容を正確にしかも分かり易く書かれていますね。自分で経験しましたから良くわかります。これからも楽しく有用なコラムをお願いします
Garo様
ブログへのご訪問とコメントをありがとうございます!
文章がカワイイって、私にとってはめちゃくちゃほめ言葉です。
嬉しいです!
5月には更新を再開できるとは思うので、引き続きよろしくお願いいたします。