父の話①と②につづき、今回はその最終回。


父親が亡くなったわけなので、娘の私が葬儀に出席するのは当然のこと。
しかーし!
亡くなったのはコロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言が、実家のある名古屋でも、私が住む東京でも発令されていた最中。
いやでも、さすがに父親だし。
行くべき?
行かないべき?
出した結論は……。
私は名古屋には帰らず、葬儀にも参列しないことにしたのでした。
まさかの緊急事態宣言中の死。まさかの葬儀不参加。
息を引き取った時。
父親が寝たきりとなって入所していた介護施設は、厳しいコロナウイルス感染対策をとっていたため、生前の面会も母親と姉の2人だけに制限されていました。
私が最後に会ったのも、コロナ禍が始まる前の2020年のお正月。
1年以上会わないままでした。
亡くなった当日にちょっと具合が悪いと連絡を受けた時は、母と姉が施設に行ったのですが、お医者さんが不在だったこともありいったん帰宅。
帰宅してしばらくしてから「息を引き取った」と連絡があったので、死に目には私はもちろん、家族の誰も立ち会うことができませんでした。
コロナ禍での葬儀。
私が連絡を受けた時、さすがに葬儀には行った方がいいかと思ったのですが、それを切り出す前に母から「来なくていいから」と言われました。
母はコロナに関して異常に不安を感じているため、「あなたが帰ってきて誰かにウイルスをバラまいたら困るから」と思った模様。
そんなわけで、私は葬儀には参加せず、お通夜は母、姉、姉の夫さん、夫さんのお母さん、父の妹たちだけが参列。
葬儀とお見送りは母と姉だけという、なんとも寂しい葬儀になってしまったのでした。
空に向かってお祈り。
お空に旅立つ時間、私は東京の自宅で手を合わせました。
亡くなったと聞いた時には涙のひとつも出ませんでしたが、さすがにこの時だけはちょぴっと目の水分が多めに……。
これまで育ててくれた感謝の気持ちがあふれた瞬間でした。
様々な手続き。
亡くなったあとの手続きも母と姉に全てやってもらわねばならないことが、実は葬儀に出られなかったことよりも心苦しく思っています。
ただでさえいろいろ大変なのに、80過ぎの母の健康状態にもいろいろ問題があるし、その扱いが大変な母の面倒を姉に見てもらわなければならないし……。
本当に申し訳ない。
コロナめ……。
まとめ。
家族を大切に思っている方からしたら、私のことをなんて薄情な娘だと思うことでしょう。
実際そうだと思います。
まぁでも、自分の誕生日には間違いなく父のことを思い出すとは思うので、これまでの親不孝を詫びながら、誕生日ケーキを食べようと思っています。
終わり!