私、胸を張って言いますが、美術の才能ゼロ。
おしゃれなセンスも微少。
でも、センスの良いもの、シンプルでかっこいいもの、そうしたものたちを創り出せる人への憧れはヒトイチバイ強いのであります。
自分に才能が無いから余計に憧れてしまうんですよね。
ほんの3年だけ書籍編集の仕事をしていた時、装丁をお願いするために第一線で活躍されているデザイナーさんの事務所を訪れる機会が何度かあったのですが、いつも訪問前にはドキドキワクワク楽しみで仕方ありませんでした。
なぜなら、そういう方々ってみなさんすごく洗練されていてオシャレだし、事務所の中もそれぞれのデザインテイストが一目でわかるようなステキな空間になっているから。
完全なミーハー気分で、「ほぇぇぇぇ~(はーと)」と心の中でため息をつきながら訪問させていただいていたのでした。
そんな私はと言えば、所属したことのある5社のうち、センスやデザインを重視していたのは4番目の会社だけ。
ほかの4社は残念ながらオシャレとはほど遠いオフィスでした。(毒舌)
だから、
生まれ変わったらハイセンスな環境で仕事も生活もしている人になりたい!
……と思っているのであります。(マジです)
今回観に行った「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」は、そんな私の現生では叶わなかった憧れをグリグリとえぐられて身悶えしてしまうような感覚になる企画展でした。
なぜ「㊙︎展」なのかと言うと、電化製品や家具や建築物などのデザイナーたちの完成品ではなく、普通ならば見ることが叶わない制作過程の展示会だから。
とにかく見応えたっぷりだったので、すごくすごく強力におススメいたします!

「㊙展」はプロダクトデザインが好きならぜったいに観に行くべき!
Contents
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」概要。
「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」の概要は以下のとおり。
- 開催期間:2019年11月22日~2020年3月8日
- 開催場所:21_21 DESIGHN SIGHT(東京ミッドタウン内)
- 公式サイト:http://designcommittee.jp/maruhi/
「21_21 DESIGHN SIGHT」は、デザイナーの三宅一生氏らが発起人となって建てられたギャラリー。
東京ミッドタウン(六本木)の正面から奥に進んだミッドタウン・ガーデン内にあります。
ちょっとわかりにくいのですが、各所にある「21_21 DESIGHN SIGHT」の表示に従って進めばたどり着けるかと。
ミッドタウン正面から左奥のこの道路↓を渡ったところ、木の奥に建物が見えています。

こんな建物↓(パノラマで撮影したので木の影が変)

チケット売場は右側の建物に入ってすぐ、展示スペースは地下に下りて行ったところにあります。
展示内容。
まずはココ↓で展示概要を確認。

メインの部屋に入る前の壁に書かれていたコレ↓、かなり参考になりました。

まずは壁3面を使った巨大なスクリーンで、クリエイターたちの制作風景を視聴。



私、もともと誰かが何かを描いていたり作っていたりする様子を観るのが大好き。
NHKで放送しているような匠がただただ工芸品を作っているような番組はもちろん、Eテレの手芸番組とかもよく観ています。
自分で作ったりはぜったいにしないんですけれどね。
だからこの12分ほどの映像も観入ってしまいました。(短過ぎて不満だったくらい)
そしてメインの展示部屋へ。

観応えあり過ぎて、このスペース↑に1時間半ほどいました。
写真もいっぱい撮ったのですが、キリが無いので一部のデザイナーの展示を少しずつだけご紹介。
川上元美氏(デザイナー)
デザイン画→プロトタイプの作成といった、立体物の作成の過程が実に興味深い!


松永真氏(グラフィックデザイナー)
デザイン画だけではなく、各クリエイターの手帳もたくさん展示されていました。
特に、松永真氏のずらーーっと並んだ手帳は圧巻。

書籍編集の経験者(足の小指の先っぽほどの経験しか無いけれど)として、これ↓にも目が釘付けに。

見慣れたロゴデザインの制作過程もたくさん展示されていました。

喜多俊之氏(プロダクトデザイナー)
家具好きの私にはたまらんデザイン画↓

シャープの液晶テレビ「アクオス」も!

面出薫氏(照明デザイナー)
この展示↓では、照明ひとつで印象が変わることをスイッチ操作で体験することができます。

修復が完了して立派に蘇った東京駅のライトアップデザイン↓

原研哉氏(グラフィックデザイナー)
これ↓は、デザイン画ではなく「構想のためのスケッチ」。

こんな風に絵を描くことによって思考を整理できるって、なんかうらやましい。
デッサンもすごく緻密。

佐藤卓氏(グラフィックデザイナー)
デザイナーさんって、かなりの割合で「ほぼ日手帳」を愛用している模様。
この佐藤氏以外にも、「ほぼ日手帳」に描かれたデッサンが複数展示されていました。

深澤直人氏(プロダクトデザイナー)
結局一度も買わなかったけれど、ずっと憧れていたインフォバーだ!
プロトタイプはレゴブロックで作成されたのね。

山中俊治氏(デザインエンジニア)
ちょっとロボットアニメっぽい感じのかっこいいデザイン画が目を引きました。


隈研吾氏(建築家)
大御所登場!
新国立競技場とか……

神楽坂の赤城神社とか……

ここ最近だけでもあちこちで隈氏設計の建築物を観させてもらいましたよ。
デザインを考えていく過程で作成された折り紙↓

ふむふむ、もうすぐ開業する山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅の屋根もこんな段階↓を経て完成したのね。

永井一史氏(アートディレクター)
説明不要のお馴染みのデザインがいっぱい。


柴田文江氏(プロダクトデザイナー)
コレ↓と同じ体温計、私も愛用している!

鈴木康広氏(アーティスト)
鈴木氏の絵は温かくて可愛らしい♪

まとめ。
私、古い時代の絵画の良さは正直あまりよくわかりません。
海外で美術館に行ってもササーっと観るだけ。
どんなに有名な絵画でも、「好きか嫌いか」でしか判断できないのです。
ダヴィンチやゴッホやカラバッジョなど、好きな画家もいますけれどね。
だから先日行ったゴッホ展はじっくり観ましたよ。

古い時代の絵画よりも、近代絵画や現代アートの方が好き。
そして、アートより更に好きなのがプロダクトデザイン。
だからもう、この「㊙展」はどんな美術展よりも私の感性に刺さりまくりだったのであります。
もちろん芸術的センスにおいて信頼度の低い私だけではなく、ネット上でも大絶賛の嵐。
もしもこのブログを読んでちょっとでも興味を持ったら、ゼヒゼヒ足を運んでみてくださいませね。
