私は現在56歳。
辛くて長かった更年期のトンネルから、やっと出口が見える位置までたどり着きました。
更年期のこと、最近は女性芸能人たちや著名人たちが隠さず話すことも増えてきたので、以前よりは口に出すことも抵抗がなくなりました。
それでもまだ、同年代の仲の良い友人としか悩みを語り合うことはできません。
男性はもちろん、女性でもなかなか理解してもらえない更年期。
当事者からしたら本当にやっかいな問題なのです。
更年期のこと、男性にも女性にも若い人にももっと理解して欲しい。
Contents
いつ頃から始まったのかはハッキリしない。
更年期というのはホルモンバランスの関係で起こるものですが、いつ頃から始まったのかということは、振り返ってみてもよくわかりません。
でもたぶん10年くらい前からかと。
ある日突然なにかの不調が起こったわけではなく、「体調が悪い」と感じる日が少しずつ増えていったという感覚。
症状はいろいろ。
私の場合は以下のような症状がありました。(一部は今も)
酷い頭痛。
もともと頭痛持ちではあったのですが、頭痛が起きる頻度がどんどん増加。
最終的には2日に1回は頭痛薬のお世話になっていました。
毎日3回は薬を飲まないとダメという人もいるので、それに比べたら少ないかも知れませんが、感覚的にはかなり頻繁に起こるという感じでした。
特に困るのが、夜中の頭痛。
昼間だとちょっと症状が出たら薬を飲めば治るのですが、夜中の場合は目が覚めた時にはかなり症状が強く出ているので、薬を飲んでもなかなか効かないのです。
夜中に這うようにして冷蔵庫まで行き、空腹に頭痛薬はよくないので牛乳とヨーグルトを胃の中に流し込んでから薬を飲み、しばらく「うーうー」と唸りながら眠れずにいると夜明けが来ます。
出勤時間が迫っても治らない時は会社に連絡して遅刻させてもらったことも。
そのほか困ったのは、映画館で映画を観ていても、家でずっと音楽を聞いているだけでも頭が痛くなること。
映画を観るのが趣味だったので、月に何度か映画館に行くのを楽しみにしていたのに……。
どうやら音や光に過敏に反応してしまうのが原因の模様。
昔はライブを観に行くのも大好きだったのに、会場の大音量の中になんてとてもじゃないけれどいられなくなってしまったので、どんどん大好きな音楽からも遠ざかってしまったのでした。
体の火照り。
更年期の代表的な症状に「ホットフラッシュ」があります。
急に体が熱くなって汗が滝のように流れる症状ですが、私の場合は普段から汗をかかない体質のため、汗はじんわり滲むくらいしか出ません。
でも、急に心臓がギューっと苦しくなったかと思うと、体がやたら熱くなるという症状が頻繁に起こりました。
心臓がおかしくなると、「あー来た来た」という感じ。
これが昼間だけではなく夜中に何度も起こってそのたびに目が覚めるので、慢性的に寝不足になっていました。
ただでさえ、箸が転んでも眠くなるくらい眠気が酷かったのに、それに寝不足が加わって、仕事中にもついうとうとしてしまったり……。(会社の人、ごめんなさい)
ランチ休憩の時、ご飯を食べたあとそのままお店でよく眠ってました。(お店の人、ごめんなさい)
体温の乱高下。
体温が乱高下するというやっかいな症状もありました。
37度台の微熱があったかと思うと、その30分後に34度台まで下がってしまう。
急に体が熱くなったり、寒くて震えがきたり、自分だけ1日のうちに夏と冬を繰り返しているような感覚でした。
数は多くないですが、33度台などという死体みたいな体温を記録したことも。
体温計が壊れたと思って新しいのを買って測っても、やっぱり33度台しかないのです。
体温が高いのも辛いですが、低すぎると全く体が動かなくなって頭も痛くなるので、そうなったら冬眠状態の爬虫類のようにじっと動かずに寝込んでいるしかありません。
眩暈とだるさと肩こり。
体は常にだるくて、鉛をあちこちに貼り付けているよう。
肩こりもハンパなくて、首から腰にかけて鉄板のよう。
くらっと眩暈のような症状があることも。
酷い時は1m歩いては休憩、また1m歩いては休憩などと、亀のようにしか移動できません。
不安定なメンタル。
メンタル的にもいらいらしたり、酷く落ち込んだりと、かなり不安定になっていました。
メンタルが不調なのか、体が不調だからメンタルも落ちてしまうのかは不明でしたが、頭の中も常にどんより。
書けないような症状も。
さすがの私も具体的には書けないような「生理」に関する困った症状もありました。
一時期かなり大変で部署移動を直訴したほどだったのですが、本当の理由は説明できなかったので、ただのワガママだと思われていたと思います。
理解してもらえないことが一番辛かった。
更年期は病気ではないと思われているし、周りからなかなか理解してもらえないのが一番辛いこと。
意外なのは同年代の女性からも理解されないこと。
症状が全く出ない人もいるし、更年期だということを認めたくない人もいるからです。
そういう女性から「更年期とか失礼な話しないで」的な言い方をされたことも……。
会社を休んだり遅刻・早退させてもらう時も、なかなか理解してもらえないので嘘の理由を言ったこともありました。
そもそも昔から、年配の女の人がちょっとイライラしていると「更年期じゃないの~」と言って笑われるような、
不機嫌なおばちゃん=更年期
という「からかいの言葉」として使われがち。
でも本人からしたら、すごくすごく深刻な悩みなわけです。
深刻な体の悩みのこと、お願いだから笑わないで欲しいのです。
理解しなくてもいいから、バカにしたり笑ったりすることだけはやめて欲しいのです。
しんどくても会社に行かねばならない。でも行った方が楽になる場合も。
大切な行事がある数日前に、歩くのもしんどいくらい症状が悪化したことがあったのですが、ぜったいに会社は休めない状況。
このままだと人前でバッタリ倒れてしまうかも……。
と不安に思うことも多々ありました。
でも、這うようにして会社に行くと、逆に少し体調がよくなることもありました。
動かずに寝込んでいると余計に症状が悪化して完全に動けなくなる場合もあるので、「会社」「仕事」という強制力があったおかげで、症状が重症化しなくて済んだのかも知れません。
とは言え、しんどい時に会社に行くのは本当に辛かったですけどね。
部長という立場上、辛い素振りを見せることもできなかったですし。
あまりに辛い時はトイレの個室の隅にしゃがんで休んでいました。
そんなことの繰り返しで疲れ切ってしまったというのも、早期退職を考え始めた理由のひとつでもありました。
いろいろ治療も試してみた。
あまりに辛いので、しばらく婦人科にも通院していました。
市販薬の「命の母A」も結構効くのでずっと飲んでいたのですが、私、同じ薬を長期間飲んでいると胃の調子が悪くなるという体質で、「命の母A」もある時から飲めなくなってしまったのです。
病院から処方された漢方薬も同じ。(サプリ系もダメ)
やっかいな体質でございますよ、まったく。
婦人科ではプラセンタ注射を1週間に1回、1年以上打っていましたが、これについては効果があるのかないのかあまり実感できず。
でもお肌の調子はよくなるので、とりあえず続けていました。
ホルモン療法については、一番効果は高そうなものの、いろいろ弊害もあるようなので選択しませんでした。
症状が軽くなって気づいたこと。
最近はかなり症状が落ち着いてきました。
ただ、今でもたまに数日ほど絶不調に陥ります。
実はこの記事を書いている数日前から頭痛とホットフラッシュに悩まされています。
今も体がやたら熱い。
あー、気持ち悪い。
でも、不調な日より、朝から元気に動ける日の方が格段に増えてきました。
更年期が酷かった時は、元気な日が月に1日あるかどうかという感じだったので、それに比べたら今は毎日本当に身も心も爽やか。
不調が続いていた時は、ひょっとしたら更年期などではなく、私のもともとの体調のせいなのかとか、仕事のストレスのせいなのかと思ったこともありました。
実際、昨年秋に会社を辞めてから更に体調はよくなったので、ストレスと更年期が相乗的に私の体調を悪化させていたのかも知れません。
でも、こうして振り返ってみると、過去10年弱と今とでは元気さが格段に違うので、「やっぱり更年期だったんだ」「あの時は本当に辛かったんだ」と今さらながら思っています。
やらねばならないことをこなすのがやっとだった頃と比べて、朝起きた途端に「さーて、今日はなにするかな!」とやる気になれるのって、本当に気分がよい。
心身が健康って、なんと幸せなことなのでしょうか。
まとめ。
更年期と一言で言っても、症状が出ない人もいるし、重い軽いも人それぞれ、症状も人それぞれなので、なかなか悩みを打ち明けることもできません。
でも、普通の病気とは大きく異なるのは、「このトンネルからいつかは出られる」ということ。
それがわかっていれば耐えられる。
もしも今、更年期で苦しんでいるとしても、いつかはぜったいに治る。
そう思いながら、このやっかいなお年頃を乗り切りましょう!!