8月1日(木)、劇団☆新感線の「けむりの軍団」マチネ(12時30分~)公演を観てきました。
私の周りには観劇を趣味にしている人や演劇関係の仕事をしている人がすごく多くて、私自身も以前はいろいろな舞台を観に行っていました。
でも、ある時から演劇や映画を観ているとやたら眠くなったり、音楽を聴き続けていると頭痛がしたりという変な症状が出るようになり、観劇からも徐々に遠ざかるように……。

でも、劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎」(いのうえひでのり氏演出による時代劇)は大好きなので、そんな体調の時でもチャンスがあれば観に行っていました。
今回の「けむりの軍団」は、2017年8月に豊洲のステージアラウンド東京で観た「髑髏城の七人 Season鳥」以来、私にとっては2年ぶりの「いのうえ歌舞伎」。
楽しみ過ぎるのと当日は35度超えの灼熱地獄だったため、鼻血が出そうになりながら赤坂ACTシアターに行ってきました!
観劇は最高の趣味!でもお金がかかるのよ……。
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観劇における私の志向。
演劇にもミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、宝塚、アングラ劇などなどいろいろあるわけなので、「観劇を趣味にしている人」にもいろいろなタイプがいます。
私の場合、10代、20代の頃は中学高校の授業で劇団四季のミュージカルを観に行く機会があったり、母親や友だちたちが好きだったりしたこともあり、「ジーザスクライストスーパースター」「コーラスライン」「CATS」「オペラ座の怪人」「屋根の上のバイオリン弾き」「ミス・サイゴン」「アイガット・マーマン」などなど有名どころを中心に観劇。
そもそも当時住んでいた名古屋は演劇過疎地なので、有名どころの演目しか観る機会がなかったんですけどね。
28歳で上京してから30代のうちは、貧乏だったし仕事が忙しくて観劇をした記憶は殆ど無し。
40代になってからは、周りに演劇好きがいっぱいいたおかげでいろいろな舞台を観に行く機会が一気に増えました。
ブロードウェイミュージカルの来日公演、三谷幸喜氏の作品、故・中村勘九郎氏出演の歌舞伎などなど。
また、その頃に何十年ぶりかに再会した幼なじみが舞台美術家だということもあり、彼女が美術を担当した宮藤官九郎氏、ケラリーノサンドロヴィッチ氏、野田秀樹氏、渡辺えり子氏の比較的メジャーな作品から、小劇場向けの難解なストレイトプレイまで、いろいろ観ていました。
ニューヨークやロンドンでは本場のミュージカル観劇経験もあり。
……などと、さも演劇に詳しいようなことを書いていますが、実はまったく詳しくはありません。
ひととおりは観たことがあるよ、というレベル。
ひととおり観た上で行きついたのは、観ていて飽きないゴージャス系だとか、出演者が豪華だとか、ミーハー目線で選んだ演目。
「通」にはなりきれず、結局のところ「わかり易い舞台」が好きだということを自覚するに至ったのであります。
劇団☆新感線の魅力。
そんな志向を持っている私には、劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎」はドンピシャ。
出演者が豪華、
プロジェクションマッピングなどを駆使した舞台演出がド派手、
殺陣がすごい、
歌やきれっきれのダンスも観られる、
歌舞伎のように見栄を張るシーンが鳥肌もの、
笑いもありつつとにかくカッコいい!
……と、「面白さ」がわかり易いのです。
そして何よりの魅力は、日本人が創った日本ならではのオリジナル作品だということ。
ブロードウェイミュージカルを日本人俳優が演じるのもそれはそれで素晴らしいですが、「いのうえ歌舞伎」は日本人にしか演じられない時代劇だというのがポイント。
そういう意味では本家の歌舞伎と同じなのですが、歌舞伎にダンスやロックミュージックやプロジェクションマッピングなどの現代要素をいっぱい加えて、老若男女誰でもわかり易い演目にしているのが「いのうえ歌舞伎」の最大の魅力なのです。
ちなみに劇団☆新感線の現代劇も観たことあるのですが、それはちょっと私には……(以下略)
赤坂ACTシアターへ。
8月2日(木)当日の東京は35度予報。
ビルやアスファルトの反射熱で体感温度は35度超の中、東京メトロ千代田線で赤坂駅へ。
普段は南北線の溜池山王駅から10分ほど歩くのですが、あまりに暑いので地下鉄を乗り換えて一番最寄りの赤坂駅まで行ったのでした。
地上に出て少し歩くと見えてくる赤坂ACTシアター↓

たいした距離じゃないのですが、灼熱地獄の中だとこの階段が辛い……。
でも看板が見えてくるとテンションが上がります!

私の席は1FのV4。
後ろから4番目の列の下手側端っこから4番目。
最悪の席だと思っていたのですが、座ってみたらとっても見易い感じ。
赤坂ACTシアターはもともとそんなに広い劇場ではない上に、前の人が邪魔にならないくらいの傾斜がしっかりあって座席も千鳥状に配置されており、演劇ファンの間ではすごく評判のよい劇場なのです。
演者さんたちの動きはもちろん、表情もはっきりくっきりとまでは言えないまでも十分確認することができました。
「けむりの軍団」鑑賞。
そして本番。
休憩20分を除くと合計約3時間。
新感線の中ではかなり短い方だったこともあり、あっという間に終了。
いつもながらド派手でかっこいい舞台を堪能できました。
まだしばらく公演が続くので内容に関する詳細は控え、各出演者の感想だけ書いておきます。
出演者①古田新太氏
舞台上の古田氏はホントーーーにかっこよくて色っぽい!
テレビに出ている古田氏しか知らないと「かっこいい??」「色っぽい??」と不思議に思うかも知れませんが、舞台上の古田氏は典型的な色男風。
新感線の人気演目「五右衛門ロック」シリーズの古田氏が私は特に大好きなのです。(目がハート)
出演者②早乙女太一氏
今回私が「けむりの軍団」を観に行こうと思った理由の90%は、出演者の中に早乙女氏の名前があったから。
新感線の「蛮幽鬼」という作品で初めて早乙女氏を観た時に、ハートを撃ち抜かれてしまったのであります。
テレビで見ると愛想が無いし、結婚・離婚時の印象もけっしてよくなかったし、はっきり言って「感じ悪い人」という印象しかもっていなかったのですが(ごめんなさい)、舞台に立った姿は本当に別人。
声も良くて演技力もスゴイのですが、立ち回りがとてつもなく美しくてかっこいいのです。
着物の裾がふわっと踊るように舞い、刀が描く軌道は流れるよう。
とにかくもう別格。
申し訳ないけれど周りの人たちの殺陣がかすんでしまうくらいなのです。
舞台の神様に特別扱いされている数少ない俳優のひとりじゃないかと私は確信しています。
「がっかりしちゃうからお願いだからテレビには出ないで」と思っているのはここだけの秘密ですよ。(小声)
出演者③池田成志氏
演劇ファンの間では「なるしー」の愛称で呼ばれている人気者。
今回もコミカルな演技でたくさん笑わせてくれました。
出演者④清野菜名氏
菜名さんのことは私は朝ドラ「半分、青い」で初めて知ったのですが、もともとアクションが得意な女優さん。
どんな立ち回りを見せてくれるか楽しみにしていたのですが、殺陣はもちろん、走るシーンや回し蹴りなどの動きがきれっきれ。
声も通るし、テレビで見るとちょっと陰のある表情が印象的ですがまったく違う感じ。
かっこよくてすごくすごくステキでした。
出演者⑤須賀健太氏
「ALWAYS三丁目の夕日」ファン的には「大きくなったねぇ。立派になったねぇ」とつい言いたくなってしまいますが、「けむりの軍団」でもその辺りのことをいじられるセリフがあって劇場内大爆笑でした。
そのほかの役者さんたち
古田氏以外の劇団員たち、高田聖子氏、粟根まこと氏などももちろん最高でございました。
東京は恵まれている。でもお金が必要。
名古屋に住んでいた頃は、演劇もコンサートも美術展も名古屋は飛ばされてしまうので、東京に住んでいる人がうらやましくって仕方ありませんでした。
上京してから四半世紀以上が経った今でも、申し訳ないくらい東京は恵まれているということを実感しています。
でもでも……。
映画と違って舞台を観るのにはお金がかかります。
今回の「けむりの軍団」もS席で13,800円。
早期退職をして無職・無収入の私にとっては、支払うのになかなか勇気が必要な金額なのでございます。
たまに行くのは可能でも、毎月とか、月に何度もとかはちょっと無理。
せっかく恵まれている東京に住んでいても、仕事をしてお金を稼がないと観劇を趣味にすることはちょっと難しいのであります。
いっそ演劇を仕事にしちゃおうかなんて思ったこともありましたけどね。

まとめ。
演劇は殆ど観たことがないけれど一度観てみたいという初心者には、劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎」はすごくおススメです。
ただ、土日のチケットは即完してまずとれないので、平日のマチネが狙い目。
働き方改革関連法案のおかけでとり易くなったであろう有給休暇を利用して、平日観劇をするのもよいのではないかと思います。
私も次はいつ行けるかな~。
劇場内にポスターが貼ってあったステージアラウンド東京での「ウエスト・サイド・ストーリー」がとりあえず気になる~。

あーでも、ラグビーワールドカップの高額チケットも買っちゃったし、オリンピックのチケットも買わなきゃいけないし(当たらんけど)、悩ましいなぁ。

