>>早期退職後の生活&心境

定年退職後または早期退職後の就職・転職に潜む落とし穴とは。

4回も転職したことがある経験者、そして人事部門の部長として転職者を受け入れる側の立場も経験したことがある私から見ると、定年退職をしたあと、もしくは早期退職をしたあと、別の会社に就職することは、すごく大変なことだと思います。

相当の覚悟をしておかないと、「後悔」という名の落とし穴があるからです。

以下は、これから就職・転職をされるみなさんに是非読んで欲しいと思っている、私の経験談です。

転職したら外国に引っ越したくらいの覚悟が必要。

私の転職経験。

まずは私の転職経験を簡単に説明します。

  1. 出身地地元のテレビ局に就職。6年間務めた後、退職して上京。
  2. 派遣社員として通信会社大手に勤務。(5か月)
  3. 派遣社員として外車販売の会社で勤務(6か月)
  4. 派遣社員として携帯会社に勤務。(2年)
  5. CS放送会社で正社員として勤務。(1年6か月)
  6. 外資系CS放送会社で契約社員として勤務。(6か月)
  7. 書籍・CD・DVD等販売&レンタル等のFC本部会社で正社員として勤務。(5年)
  8. ラジオ局で正社員として勤務。(17年7か月)

節操なく何度も転職していますね。お恥ずかしい限り。
冒頭で4回の転職と書きましたが、派遣社員も含めると8社もの会社で仕事をした経験があるのです。

そして最後のラジオ局では、逆の立場で(受け入れる側の立場)、転職してくる社員の採用や、入社後のケア等の仕事をしていました。

最初の転職が一番キツかった。

社会人になって初めての会社というのは、自分にとっては祖国のようなものです。

どういう意味かというと、例えば私は日本人なので、生まれて育つ間に、日本語、日本の文化やしきたりが、自分の常識として知らない間にすりこまれていきます。
だから中学生になって初めて英語を教えてもらった時に、「なぜ動詞がこんな場所に??」「TheとかAとかなぜつけねばならぬ??」と衝撃を受けました。
初めて海外旅行に行った時には、「飲食店なのにお水が出てこない!」「バスをどこで降りていいかわからない!」と、ちょっとしたことで戸惑いまくりました。

学校を卒業して就職した時もこれとまったく同じで、社会人として生まれたばかりの赤子は、その会社の仕事のやり方やルール、社風などを知らない間にすりこまれていきます。
でも、すりこまれたことは、その会社独自のルールだったりするわけです。
仕事のやり方や社風はもちろん、ちょっとした用語まで、会社によってゼンゼン違ったりするわけです。
だから初めての転職では、すごく衝撃を受けるのです。

私も、最初の会社を辞めて上京し、通信事業では最大手の会社に派遣社員として転職したのですが、初日から驚くことだらけでした。
例えば、仕事中は一切私語禁止、クリップ留めのルールが決められている、コピーをとることを「焼く」と言う、などなど、あまりにも最初の会社と違い過ぎて、頭の中が「?」でいっぱいとなり、なかなかついていくことができませんでした。

そして何より、地元では知らない人はいない会社で6年勤めたというプライドをずたずたに切り裂かれたことも、本当にショックだったのです。
仕事は自分の頭で考えながら進めるものだと思っていたのに、派遣社員になったとたん、コピーとりとか、手書き原稿をワープロで打ちなおすような、言われたことだけをこなす仕事しか与えられない……。

今から考えれば、それはあたりまえのことだし、6年くらいのキャリアなんてたいしたことがなかったってことはわかるのですが、当時はもうただただ愕然とするばかりで、毎日会社に行くのが本当に辛かったのでした。

でも、その後何度か転職をする度に、その会社ごとに独自の仕事のやり方があるんだっていうことがだんだんわかってきたので、転職の後半では「新しいカルチャーに慣れるまでの辛抱だ」と思えるようになったんですけどね。

慣れ親しんだ会社から別の会社に行くということ。

定年退職後や早期退職後に別の会社に入社する場合、私のように転職経験が何度かあれば、さほど驚くこともなく、プライドを傷つけられても「あたりまえだ」と思えるでしょうが、初めて入社した会社一筋で仕事をしてきた人は、酷いカルチャーショックに陥る可能性が高いです。

たった6年しかいなかった会社でも、次の会社とのGAPに耐えられなかったのですから、30年も40年も勤めていた会社から外の世界に行くということは、日本からいきなりアフリカの国で暮らすくらいのカルチャーショックを感じると思います。
けっして大袈裟ではなく、ですよ。

人事部門の部長をしていた時も、それはすごく感じました。
他の会社からせっかく転職してきたのに、なかなか馴染めずに結局すぐに辞めた人も何人か見てきました。
初めて転職してくる人には、入社手続きの際に「慣れるのに2年はかかると思っておいた方がいいよ」というアドバイスはしていたんですけどね。

でも、いくつもの会社でいろいろな仕事をしたことは、私にとってはすごく貴重な経験でしたし、なにひとつ無駄なことはなかったと思っています。
新しいことにチャレンジするのに年齢なんて関係ないので、定年退職後、早期退職後に新しい会社で仕事をすることは、私も大賛成です。

ここに書いたことを覚えておきさえすれば、きっと大丈夫です。
「この国のルールは奇妙だけど面白いな」と思うくらいの余裕をもって、チャレンジしてくださいね。

POSTED COMMENT

  1. Juri より:

    私も早期退職し、転職活動中。覚悟はしてましたが、厳しい現実があり少しまいっていましたが、こんなに自分のことを考える時間なんてあのまま働いてると思わなかったかもです。外国に留学するつもりで、会社に入社する覚悟で活動がんばります。自分の道は自分で切り開くしかないですもんね(*^_^*)

    • はやしりえ より:

      Juri様
      脅すわけではないですが、どんな 会社でも転職してしばらくはカルチャーショックで悩むとは思います。
      でもそれを楽しむくらいにすれば、道はぜったいに切り開かれると思います!
      応援しています!

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