NHKの大河ドラマ「いだてん」の視聴率が低迷しているとのニュースをたまに目にします。
かくいう私、大河ドラマは殆ど観たことがないのですが、オリンピックが好き過ぎるので「いだてん」はすごく楽しみにしていました。

しかーし。
4話まで観た時点で挫折。
いろいろ言われている凝り過ぎの演出が理由というよりも、役者さんたちのオーバーアクション気味な演技がどうにもこうにも苦手でついていけなかったのです。
もともと大河ドラマの演出はちょっと大袈裟だったり、演技もオーバーアクション気味。
時代劇だとあまり違和感を感じないのですが、現代に近い時代設定にそれを持ち込んだことで、私のようについていけない人もいたのではないかと思われます。
ただ、観るのをやめたあとも録画だけはし続けていました。
どうせ観ないから録画設定を解除しようかなとも思ったのですが、Twitterから見えてくるのは「いだてん」絶賛コメントの嵐。
うーん。そこまで面白いと言うならば、ちょっと観てみようか。
……と思って観始めたところ、
これは!!
オリンピックが好きならば観ておかなければいけないドラマだった!!
「いだてん」は私がオリンピックが好きになった理由を代弁してくれる。
途中からどんどん面白くなってくる。
「いだてん」は4話まで観たところで挫折した私。
正直、改めて観始めた時も、また途中で挫折しそうになりました。
いちいちキャーキャーわめく主人公や、変な踊りを踊る若者たち、昼間っから遊んでばかりいる落語家の卵などなどが、私にはうざい存在にしか見えず。(毒吐いてごめんなさい)
でも、10話を超えた頃からがぜん面白くなってきて、一気に第一部すべてを視聴。(1人目の主人公・金栗四三編、第24話まで)
なるほど。
「いだてん」で宮藤官九郎氏が描きたかったのは、こういうことだったのか。
そのすべてが明らかになるにつれ、どんどん面白くなっていったのでした。(上から目線でごめんなさい)
クドカン、やっぱり天才。
オリンピックは人間ドラマの集大成。
普段あまりスポーツに興味が無い私が、なぜここまでオリンピックにハマっているのか。
それは、
スポーツ最高峰のイベント、しかも4年に1回しか開催されないオリンピックを目指し、
出場する選手たち、
そのコーチや家族など選手にかかわる人たち、
出場できなかった選手たち、
そのコーチや家族など選手にかかわる人たち、
聖火ランナー、ボランティア、事務局の人たちなどのオリンピックの運営にかかわる人たち、
そのすべての人たちに人間ドラマがあって、そのドラマの集大成がオリンピックだということ。
そこに私はとてつもない魅力を感じているのです。
「いだてん」が描いている人間ドラマ。
「いだてん」第一部は、日本が初めてオリンピックに参加することを描いています。
数多くの人たちの努力、悲劇、幸せ、笑い、涙があって、日本人のオリンピック選手が生まれたことを改めて教えてくれるのが、「いだてん」なのです。
「史実に基づくフィクション」と謳ってはいるものの、史実の部分もかなり多いようで、それらを知ることができる次回予告編後の「いだてん紀行」のコーナーも毎回とても楽しみ。
もちろんパイオニアたちのドラマは特別なものでもあるわけですが、オリンピックには毎回いろいろな人間ドラマが生まれています。
それを見たり知ったりすることが私にとってのオリンピックなのだと、「いだてん」を観て改めて気づかされました。
クドカン氏が描きたかったことはタイトル「いだてん」にこめられている。
以下、ネタバレにならないであろう範囲でもう少し具体的なことを書きますが、もしもそれすら知りたくない場合は、この項は読まないでくださいね。
↓↓↓(うっすらネタバレあり)↓↓↓
第一部の最終話で、「いだてん」というタイトルにこめられた本当の意味が明らかになります。
ああ、そうだったのか。
クドカンが描きたかったのは、こういうことだったのか。
鳥肌……。そして涙。
関東大震災からの復興を描く「いだてん」と、東日本大震災からの復興を描いた「あまちゃん」。
ふたつのドラマとも、悲惨な場面は最小限しか描いていないのに、その悲しみや災害復興への思いがズシリと伝わってきます。
更に、災害復興にエンターテインメントが果たす役割についても、両方のドラマに共通するテーマ。
被災地出身のクドカンだからこそ描けるスゴイドラマだと思うのです。
まとめ。
オリンピックが大好き過ぎると言いながら、「いだてん」を観ないというのはあり得ないことだったので、後追いながらも見始めて本当によかった……。
これまで、オリンピック好きのバイブルと言えば映画「炎のランナー」だったのですが、そこに「いだてん」が加わりました。
オリンピックの予習ができると楽しみにしていたのに、つまんないドラマだなぁ。
……なんてことを思って本当にすみませんでした。
これからまだ第二部、東京オリンピックまでの物語が続くわけですが、もう楽しみでしかありません。
「いだてん」のおかげで、東京2020オリンピック・パラリンピックへの期待がますます膨らんでいきそうです。
https://hitorideclub.com/olympic_matome