今回はめちゃくちゃややこしい年金の話。
複雑で難しい話だけれども、会社を早期退職した人、したいと思っている人には参考になるかと思うので、がんばってついてきてくださーい!
で、年金のどんな話かと言うと……。
会社を早期退職してから無職、あるいは自営業やフリーランスの人になると、将来受け取る年金額が減ります。
私の場合は55歳と9か月で無職の人になりました。
だから年金額が減ってしまうわけなのですが、
……ということがとっても気になっていました。
そこで、先日届いた最新の「ねんきん定期便」から、この減ってしまう額を推定してみました。
その具体的な額とは……。
早期退職をするならば将来の年金受給額が減ることも知っておかないとダメだよ!
年金の基本。
そもそも年金の仕組みを理解していないと、ここから先の話にはついていけないので、まずはそのおさらい。
以前、複雑な説明をなるべく排除して年金についてまとめた記事↓を書いたので、読んでみてください。

この中で最低でも理解しておかなければならないのは、
- 年金は国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金、報酬比例部分)で構成されている。
- 国民年金はすべての国民が加入するもの、厚生年金は給与から年金額が天引きされる会社員、派遣社員、パートタイマー、アルバイトが加入するもの。
- 生年月日によって老齢厚生年金の受給開始年齢が異なること。(自分の受給開始年齢を知っておくことはマスト!)
この3つですよ。
尚、ずっと自営業、またはフリーランスでしか仕事をしたことがない人は、老齢厚生年金は一切もらえません。
短期間でも給与から年金額を天引きされた記憶のある人は、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金も受給できます。
ねんきん定期便の見方。
まず、以下がこの解説の前提条件となるので必ずご確認を。
ねんきん定期便は、
- 50歳未満の人
- 50歳以上の人
- 年金受給者
それぞれで見方が違います。
これから書くことは私の事例、つまり、
「50歳以上でまだ年金を受給していない人」
のねんきん定期便の見方となります。
それ以外の人については、日本年金機構のこちらのページをご参照ください。
私に届いた「ねんきん定期便」の中で、将来の受給額がわかるのはこの部分↓

この額はあくまでも予定額です。
Aに書かれているように、この予定額は、現在支払っている年金額を60歳まで支払ったと仮定した予定額。
①は国民全員が60歳以降に受給できる金額。(年額)
未納月があるかないか、加算額を払っているかどうか等で微妙に金額は変わってきますが、誰でもほぼこれと同じような金額になっているはずです。(満額で約78万円)
Bは老齢厚生年金が支払われる年齢。(私は1963年1月19日生まれの女性なので、63歳が老齢厚生年金の受給開始年齢)
②は63歳~64歳の時に受給する年金額。(年額)
③は65歳以降に受給する年金額。(年額)
自営業などで厚生年金の加入期間がまったく無いと、②はゼロ。③は①と同じ額。
早期退職したことによる影響額。
やっと本題。
会社を55歳と9か月で早期退職して、そのあと無職、つまり厚生年金未加入の状態になってしまった私。
会社を辞めて厚生年金に未加入の期間ができてしまったということは、
その未加入期間分の老齢厚生年金の受給額が減る
ということ。
その減ってしまう額を推定するため、1年前に届いた「ねんきん定期便」と今年届いた「ねんきん定期便」を比較してみました。
1年前に届いた「ねんきん定期便」は、まだ私が会社にいて厚生年金に加入していた時のもの。
Aの説明の通り、受給予定額は退職前の報酬が60歳まで支払われると仮定して計算されています。
それに対して、今年届いた「ねんきん定期便」は、既に会社を辞めて厚生年金には加入していない時のもの。
Aの説明の通り、受給予定額は退職後~60歳まで厚生年金には加入しないと仮定して計算されています。
実際に1年前と今年届いた「ねんきん定期便」の②と③の金額を比較してみると、
1年前の②の金額 > 今年の②の金額
1年前の③の金額 > 今年の③の金額
になっています。
そりゃ厚生年金の加入期間が減っちゃったんだから、そうなりますよね。
で、その具体的な影響額は、
②の63歳~64歳の受給額は、
マイナス 161,101円(年額)
③の65歳以降の受給額は、
マイナス 150,661円(年額)
60歳を待たず55歳と9か月で早期退職したせいで、月額にするとざっくり13,000円くらいの年金受給額が減っちゃったというわけ。
以前、1万円強減ってしまうだろうと推測していましたが、ドンピシャでございました。

もちろん、このあとまた就職したりパートタイマーとして厚生年金に加入することがあれば、もう少しまた金額が増えますけれどもね。
60歳以降も社員やパートタイムとして厚生年金に加入していれば、更に金額は増えますよ。
上記はあくまでも私の事例です。
給与額、厚生年金加入期間、現年齢、退職年齢などにより、早期退職が及ぼす年金への影響額はかわってきます。
まとめ。
かなり複雑な話でしたが、理解していただけたでしょうか。
なるべくわかり易く解説するのって、本当に難しい……。
めっちゃ簡単に言うと、
……っていう話だったんですけれどね。
幸い私は人事の仕事をしていたので、この辺りのことはおおよそ理解できていたし、退職前に詳しく調べてありました。
でも、年金のことはとにかくややこしいので、殆どの人は具体的には理解できていないんじゃないかと思います。
まずは早期退職したら収入がなくなるだけではなく、年金もずぴょーんと減っちゃうということだけでも覚えておいた方がいいですよ。

