私のこのブログ、「早期退職」「早期退職したい」で検索して訪れてくれる方が結構いらっしゃいますが、早期退職には、ざっくり分けて以下の2種類あると思っています。
- かなりアーリーなリタイアメント(40代までに早期退職)
- ちょっとだけアーリーなリタイアメント(定年まで少し残した早期退職)
50代後半の55歳(実際は56歳目前)で辞めた私は②だと思っているので、このブログでは主に②を目指している人向けの情報を書いています。
でも、①を考えている人も検索で訪れる可能性もあるということと、人気ブロガーのヒトデさんの早期退職に関する記事について思うところがあったので、今回は「かなりアーリーな早期退職」について触れてみようと思います。
「かなりアーリーな早期退職」は安易に考えるべきことではない。
ヒトデさんとは。
まず、ヒトデさんについて勝手にご紹介。
私がWordPressを使ってこのブログを立ち上げようと考えた時に、たまたまみつけてすごく参考にさせてもらったのが、ヒトデさんのブログでした。
そしてその時、ヒトデさんが「26歳で会社を辞めてブログだけで相当な収入を得ている人」らしいということを知りました。
現在27歳だそうなので、私の子どもと言ってもいいくらいの年齢。
でも、書かれていることがいちいち的を得ているし、歳をごまかしていて実は70歳くらいなんじゃないの?と密かに疑っているくらい、人生を達観しているかのようなことを書いておられるのです。
ちょっと批判的なことを書かれると素直に謝れるところも好青年な感じ。
おばちゃん、本当に感心しとるがね。(ヒトデさんも私と同じ愛知県出身)
ネット住民特有のテンション高めの文章は、ちょっと目がくらくらする部分もあるけれど、それは私がおばちゃんだから。変なところで歳を感じる今日この頃。
「セミリタイア」を現実逃避に使っていないか?という記事。
私は早期退職をテーマにした記事を書いていることもあり、ヒトデさんのこの記事を興味深く読ませていただきました。
「セミリタイア」を現実逃避に使っていないか?
(ブログ「今日はヒトデ祭りだぞ!」より)
すごく端折って要約すると、「現実から目を背けるために早期退職するのではなく、理想的な働き方ができることを目指そうよ」という話。
いやもう、ごもっとも。
私も正直、30代、40代の頃、仕事が辛いと「さっさと会社を辞めて好きなことして暮らせないか」と、貯金額やどうやったら生活していけるかなど、いろいろシミュレーションしたことがあったんですよね……。(遠い目)
でも実際には世の中そんなに甘くはなく、50代半ばまで33年以上会社員を続けることになったわけです。
というか、気づいたら33年以上経っていたわけです。
現実はどうか。ヒトデさんの記事に補足して説明。
ヒトデさんが書いている内容に、33年の会社員生活での実体験から感じたことを補足してみます。これはさすがに27歳のヒトデさんには書けませんからね。
例えば今25歳で、45歳までに1億円貯めてセミリタイアするんだ! って言いながら、毎日我慢してセミリタイアシミュレーションツールとか眺めつつ、20年間働き続けるって微妙過ぎ無い?? 将来の自由も大事だけど、若い今の20年だって大事よ!
実際その通りで、辞めることばかり考えている時間って、本当にムダ。
ムダでしたよ。(実体験)
そもそも、45歳までに1億円貯めるって、相当な収入があるか、相当切り詰めるか、相当な副職収入があるか、相当な資産運用の才能が無いとと無理。(断言)
34年弱会社員生活を送り、管理職にもなって恵まれた収入があった私でも、老後の資金が潤沢に貯まっているわけでもないのですから。

身体が元気な若いうちに、遊びもしないで働くだけの人生なんて、ぜったいに後悔しますしね。
もちろん散財し過ぎるのはよくないですが、遊ぶのも勉強だと思って投資しないと、つまんない人生になっちゃいますよ。
もうひとつ補足するならば、無収入の人が家を借りることは相当困難なので、早期退職するならば、その前に一生住める家も確保しておくべき。
となると、1億円ではまったくもって足りませんね。
でも、あなたのプランは
「貯めた1億円の配当金3%の300万円で生きていく」
というもの
年300万円あれば、1人ならそれなりに満足の行く暮らしは出来るかもしれません。でも「体験」にお金を使おうと思ったら全然足りません
歳をとるとガンガン遊んだり旅行に行く体力もなくなるし、物欲も低下してくるので年300万円でも大丈夫だと思いますけれど、身体が自由に動き、好奇心も旺盛なうちは300万円では本当に何もできないです(実感中)。ヒトデさんの「体験に使うお金」という表現、すごく的を得ていると思います。
何か趣味をずっとやりたいって言ってる人! それ飽きませんか! 40年出来ますか! 働きながらやってみましたか?
これも、高齢になってからなら出来ると思いますけど、若いうちは趣味だけでなんて生きていけませんよ。
私が以前お仕事をご一緒させていただいた某有名小説家の先生(当時50歳半ば)は、とあるマニアックな趣味にハマっておられて、それには相当な時間とお金がかかる様子でした。
たぶん過去作品の印税だけでもその趣味に一生没頭できるでしょうに、いつも「この趣味を楽しむために働いているんだよ。徐々に趣味に充てる時間の割合を増やしてはいるけどね」とおっしゃっていたんですよね。
趣味って本来そういうものじゃないですか?
結局自分達のほとんどは「仕事」から逃れる事が出来ません。平均寿命は伸び続けていて、年金もあまり期待出来ないとなれば尚更です
我々はまだ年金もそこそこもらえる世代ですが、それでも私がもらえる金額は推定月額15万円程度。今現在若い人たちが高齢になる頃には、受給額はもっと減るし、受給開始の年齢もどんどん繰り下がって70歳超になることでしょう。
早くに退職したら、厚生年金部分の受給分もグンと減りますから、年金なんて全くアテにできなくなります。

また、寿命が延びても元気なままならいいですが、介護される状態が長引くと、更にお金がかかるという現実も……。

まとめ。
現実的では無い「理想」を追いかけながら消耗していくよりも、「現実的に、どうしていくのか。今を犠牲にしなくても出来る事は無いのか」という部分を考えるのは本当に大事だと思います
本当にその通り。
ちょっとだけ近いことを、私も以前書きました。


「早期退職」は人生の目的・目標ではなく、目的を達成するために必要ならば選択すべき通過点。
そう考えて、まずは自分の生きる目的・目標を考えるべきなのだと思います。
……な~んてことを、息子くらいの年齢のヒトデさんの記事に乗っかって書いてみました。
おばちゃんも若い人に負けないよう、目標に向かってがんばるよ!
